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株式会社 itofuku.

親の介護が始まった時、保険ってどうするの?
介護費用と家族の負担を軽くするポイントを分かりやすく解説

親の介護が始まった時
なぜ保険を見直すの?

親の介護が始まると、時間的・精神的な負担に加え、想像以上に「お金」の問題が現実味を帯びてきます。介護サービス費用、自宅のバリアフリー改修、仕事をセーブすることによる収入減など、家計への影響は長期にわたることも少なくありません。
「なんとかなるだろう」と後回しにしてしまうと、ご自身の生活費や老後資金を削ることになりかねません。親の介護が始まったタイミングは、「公的制度でカバーできる範囲」と「自分たちで備えるべき部分」を整理し、無理のない介護と生活を両立させるために、保障と資金計画を見直す大切なタイミングです。

見直しポイント ❶

公的介護保険制度でどこまでカバーできるか把握する

要介護認定を受けることで、公的介護保険を使ったサービスが利用できますが、「自己負担がゼロになる」わけではありません。利用限度額や自己負担割合(1〜3割)、対象外の費用を正しく理解し、「どのくらいが自己負担として家計にかかるのか」を把握することで、民間の介護保険や貯蓄で補うべき部分が見えてきます。

見直しポイント ❷

家族の収入減リスクと生活費への影響を確認する

介護のために勤務時間を減らしたり、離職や転職を選ばざるを得ないケースもあります。その場合、ご自身の世帯の生活費・住宅ローン・教育費・老後資金にどの程度影響が出るかを確認し、「どこまで家計で吸収できるか」「不足分をどう補うか」を整理しておくことが大切です。

見直しポイント ❸

親の資産・保障と、自分たちの保障を分けて考える

親の介護費用を、すべて子どもの世帯が負担してしまうと、ご自身の家計や老後資金が圧迫されます。親名義の年金・貯蓄・保険(介護保険・医療保険・死亡保険)を確認し、「親の費用は親の資産を軸に」「不足分をどう家族で支えるか」という整理を行うことが重要です。同時に、自分たちの医療・就業不能・老後の備えを削りすぎないこともポイントです。

例:退職後の生活設計

スクロール→

項目

① 必要生活費

② 必要介護費・住宅費

③ 公的給付等(差引)

④ 貯蓄等(差引)

必要保障額

計算

月25万円 × 5年

親の介護関連費用 等

年金・公的介護保険給付 等

貯蓄のうち充当可能な部分

①+②−③−④

金額

1,500万円

600万円

−500万円

−400万円

1,200万円

必要保障額 = ①必要生活費 + ②必要教育・住宅費 − ③公的給付等(差引) − ④貯蓄等(差引)
親の介護に伴い増える支出と、自分たち世帯の生活費を合わせた金額から、公的介護保険や年金、既存の貯蓄でカバーできる分を差し引いた「不足分」が、保険や資金準備で意識しておきたい目安となります。
※実際の金額は、要介護度・サービス内容・同居/別居・親の資産状況によって大きく変わります。

ご相談でよく聞く
「3つの誤解」

親の介護が始まったときのご相談では、「なんとか自分たちで見るつもりだった」「公的介護保険でほとんど賄えると思っていた」という声を多く伺います。ですが、認識のズレが家計負担や共倒れリスクにつながることもあります。特に次のような誤解には注意が必要です。

誤解ポイント ❶

公的介護保険があるから、介護費用の心配はいらない

公的介護保険は重要な支えですが、自己負担や対象外のサービス、生活費・交通費・住宅改修費などは別途かかります。「全額カバー」ではない前提で、足りない部分をどう補うかを考える必要があります。

誤解ポイント ❷

親の介護費用は、自分たちが頑張ればなんとかなる

子ども世帯が無理をしすぎると、自分たちの生活費や教育費、老後資金が削られ、将来の不安が大きくなります。親の資産や保障も活用しつつ、「家族全体で無理のない分担」を設計することが大切です。

誤解ポイント ❸

親の保険や資産は分からないので、とりあえず自分たちが負担している

親の加入している生命保険・医療保険・介護保険、年金額、貯蓄状況を把握することで、「既にある備え」を有効に使えるケースも多くあります。知らないまま自分たちだけで抱え込むのは損につながることもあります。

親の介護が始まった時に
検討したい保険・保障

親の介護が始まったタイミングでは、「親のための備え」と「自分たち家族の生活と将来を守る備え」を切り分けて考えることが重要です。ここでは、負担の偏りや将来不安を減らすために検討したい3つの保険・保障をご紹介します。

親名義の介護保険・医療保険の確認・活用

すでに親が加入している介護保険や医療保険、入院給付金、給付金付き終身保険などがあれば、それを優先的に活用することで、子ども世帯の負担を軽減できます。内容を把握していないケースも多いため、まずは証券の確認から始めることが大切です。

ココがポイント ❶

「どの状態になったら、いくら出るのか」を整理すると、介護費用の見通しが立てやすくなります。

自分たち世帯の就業不能保険・医療保険の整備

介護の負担が増える中で、自分自身が病気やケガで働けなくなった場合、家計へのダメージは一気に大きくなります。就業不能保険や医療保険で、自分たちの収入減リスクにも備えておくことで、「介護+自分たちの生活」の両方を守ることができます。

ココがポイント ❶

「自分の生活費+介護にまわしている分」を目安に、必要な給付額を検討しましょう。

親の死亡保険の見直し・整理

高額な死亡保障が不要になっている場合でも、葬儀費用や相続手続きに備えた小さな終身保険が残っていれば安心材料になります。一方で、保険料負担が重いまま続いている契約があれば、介護費用に回した方が有効なケースもあります。

ココがポイント ❶

「残す契約」と「整理してよい契約」を分けることで、保険料を介護や生活費に振り向ける余裕が生まれます。

よくある質問を
ご紹介

A. 一律の正解はありませんが、「親の年金・貯蓄・保険で賄える分」と「不足分」を分けて考えることが大切です。全額を子ども世帯で抱え込まず、家族全体でバランスを話し合うことをおすすめします。
A. 基本的なサービス利用には役立ちますが、自己負担や対象外の費用が発生します。長期化や重度化の可能性も踏まえ、貯蓄や民間の介護保険で補う選択肢も検討すると安心です。
A. 保険だけで全てをカバーすることは難しいですが、就業不能保険や医療保険で自分の収入減リスクを抑えることで、「働きながら介護サービスを活用する」選択肢を取りやすくなります。
A. もちろん大丈夫です。加入中の保険や年金、貯蓄状況を一緒に整理し、「使えるもの」「見直した方がよいもの」を確認することで、無理のない介護と家計設計を考えるお手伝いができます。