退職を控えている時、保険ってどうするの?
老後の生活と医療費に備えるポイントをわかりやすく解説
退職前のこの時期に
なぜ保険を見直すの?
定年退職や早期退職を控える時期は、「収入がある今」と「公的年金中心の生活になるこれから」の境目となる重要なタイミングです。会社の団体保険や福利厚生による保障は退職とともに終了し、医療費や介護リスクは年齢とともに高まります。一方で、これまで加入してきた保険がそのまま本当に必要かどうかも見直す必要があります。老後の生活費・医療費・介護費を見据え、「残す保険・減らす保険・新たに備える保険」を整理することが、退職前にやっておきたい大切な準備です。
会社の保障終了後の医療・死亡保障を確認する
退職すると、団体定期保険や医療保障など「会社経由の保険」がなくなるケースが多くあります。退職後も必要な医療保障や、万一の際に配偶者の生活を守るための死亡保障が確保されているか、自分名義の保険だけで成立するかを確認しましょう。過剰な死亡保障は見直しつつ、「本当に必要な部分だけ」を残すことがポイントです。
老後の生活費と公的年金のバランスを把握する
退職後は収入の多くを年金に頼ることになります。毎月の生活費と、見込まれる公的年金額を比較し、「不足分がどの程度か」「その不足を貯蓄で賄えるか」を確認しておくことで、保険で補うべき範囲が明確になります。漠然とした不安を減らすためにも、数字で把握することが大切です。
将来の医療・介護リスクへの備えを検討する
年齢とともに医療費負担や介護の可能性は高まります。高額療養費制度などの公的制度を前提としながらも、長期入院や介護が続いた場合に「貯蓄だけで耐えられるか」を考え、必要に応じて医療保険・介護保険・認知症保障などを検討します。退職前は、健康状態的にも加入を検討しやすいラストチャンスになりやすい時期です。
例:退職後の生活設計
スクロール→
項目
① 必要生活費
② 必要住宅費・修繕費
③ 公的給付等(差引)
④ 貯蓄等(差引)
必要保障額
計算
月25万円 × 20年
住宅ローンやリフォーム等
公的年金等でカバーできる分
世帯の預貯金・退職金の一部
①+②−③−④
金額
6,000万円
1,000万円
−5,000万円
−1,500万円
500万円
退職後に必要となる生活費や住まいの費用から、公的年金や既にある貯蓄でカバーできる分を差し引いたうえで、「不足分をどう補うか」を考えることで、保険や貯蓄で備えるべき金額の目安が見えてきます。
※数値は一例であり、実際は年金額・貯蓄額・ライフスタイルに応じて調整が必要です。
ご相談でよく聞く
「3つの誤解」
退職前後のご相談では、「長年払ってきたからこのままで安心」「年金があるから大丈夫」といったお声も少なくありません。しかし、内容をよく見ると負担やリスクがアンバランスなケースもあります。特に次のような誤解には注意が必要です。
長年加入している保険だから、このまま続けておけば安心
年齢とともに必要な保障は変化します。現役時代の大きな死亡保障が、退職後には「保険料負担が重すぎるだけ」になっていることもあります。現在のニーズに合っているかを基準に見直すことが大切です。
年金があるから、老後の医療や介護も何とかなる
公的年金は生活費の基本部分を支える制度であり、医療・介護の追加負担まですべて賄えるわけではありません。長期入院や介護が続くと貯蓄を大きく取り崩す可能性があるため、必要に応じて医療・介護の備えも検討しましょう。
退職後も、働いていた頃と同じ保障内容でないと不安
現役時代と同じ保障を維持すると、保険料が高額になり家計を圧迫することがあります。退職後は「万一の際に本当に必要な分だけ」に絞ることで、負担を抑えつつ安心を確保できます。
退職前後の世帯が
検討したい3つの保険
退職を控えた時期は、「守るべき家族」と「これからの生活スタイル」がほぼ見えてくる段階です。一方で、会社の保障がなくなり、公的年金中心の生活へ切り替わるタイミングでもあります。この節目に、次の3つの保険・保障を軸に「残す」「減らす」「整える」を検討しましょう。
医療保険・がん保険
入院・手術・通院などの医療費は、年齢とともに増えやすくなります。高額療養費制度を踏まえつつも、自己負担分や先進医療、がん治療などに備えられる医療保険・がん保険を整えておくことで、貯蓄を一気に減らさずに済みます。
「一生の保障(終身タイプ)」で、保険料と保障のバランスが取れたプランを選ぶのが安心です。
介護保険・認知症保険
要介護状態や認知症になると、介護サービス利用料や生活支援費用など、長期にわたる負担が発生します。公的介護保険だけでは不足する部分を民間の介護保険等で補うことで、ご自身とご家族双方の負担軽減につながります。
「月々いくらの介護費用が続くと困るか」を基準に、必要な給付額を検討します。
必要最小限の死亡保障
(逓減・定期・小さな終身)
住宅ローンの完済や子どもの独立が進んでいれば、大きな死亡保障は不要な場合もあります。ただし、配偶者の生活費や葬儀費用、相続対策としての資金など、最低限残しておきたい金額はあります。小さな終身保険や逓減型保障などでスリムに備える選択肢も有効です。
「誰に・いくら・何のために残すか」を明確にし、それ以上の保障は思い切って整理することがポイントです。
よくある質問を
ご紹介
Q. 退職直前ですが、今から保険を見直しても遅くないですか?
Q. 高齢になってから新しい保険に入るのは割高では?
Q. 今までの保険を解約してしまっても大丈夫でしょうか?
Q. 年金と貯蓄だけで足りるか不安です。相談では何を見てくれますか?
保険の選び方一覧