がん保険って入るべき?どう選べばいい?
長期治療に備えるポイントを分かりやすく解説
なぜ医療保険と別に
がん保険を検討するの?
がん治療は進歩し、「長く付き合う病気」とも言われるようになりました。入院日数が短くなった一方で、通院での抗がん剤治療、放射線治療、先進医療、働きながらの治療など、「長期にじわじわお金がかかる」ケースが増えています。公的医療保険や高額療養費制度で基本的な治療費はある程度カバーされますが、収入減、交通費、差額ベッド代、自費診療などは自己負担です。がん保険は、そうした「想定しづらい長期負担」に備えるための保険です。ここでは、医療保険との違いや、無駄なく備えるための考え方を整理します。
がん治療にかかる「医療費以外」の負担も含めて考える
がん治療では、入院費だけでなく、通院交通費、仕事をセーブすることによる収入減、食事や生活上の追加費用など、保険診療外の支出が積み重なります。「治療費だけ」ではなく、「治療+生活」の視点で必要額を考えることが重要です。
既存の医療保険との役割分担を整理する
すでに医療保険に加入している場合、入院・手術の部分はそちらでカバーできることも多くあります。がん保険では「診断一時金」「通院保障」「長期治療サポート」など、医療保険だけでは足りない部分を補う役割に絞ることで、重複を避け、保険料を抑えた設計ができます。
「一時金型」か「継続給付型」か、自分に合う受け取り方を選ぶ
がん保険には、診断時にまとまった一時金が受け取れるタイプや、通院・入院ごとに受け取れるタイプ、長期治療期間中に継続給付されるタイプがあります。働き方や貯蓄状況に応じて、「最初にドンと欲しいのか」「長く支えてほしいのか」を基準に選ぶと無理がありません。
例:40代・既婚・子1人
スクロール→
項目
① 必要生活費
② 必要医療費
③ 公的給付等(差引)
④ 貯蓄等(差引)
必要保障額
計算
月25万円 × 1年
治療費 雑費 等
高額療養費制度 等
預貯金 等
①+②−③−④
金額
300万円
200万円
−150万円
−150万円
200万円
がん治療で想定される自己負担分や、治療により収入が減少した期間の生活費から、公的制度や手元資金でカバーできる分を差し引いた不足額が、がん保険などで備えたい目安となります。
※金額は一例であり、職業・収入・治療方針・貯蓄状況により変動します。
ご相談でよく聞く
「3つの誤解」
がん保険はイメージが先行しやすく、「なんとなく心配だから手厚く」が多い分野です。その結果、重複や過剰加入になっているケースも少なくありません。特に次のような誤解には注意が必要です。
がんになったら、とにかく莫大な自己負担がかかる
公的医療保険や高額療養費制度により、標準治療の自己負担は一定程度抑えられます。「全額自己負担になる」というイメージだけで高額な保険に入るのではなく、「どの部分が自己負担になるか」を踏まえて設計することが大切です。
がん保険に入っていないと大きく損をする
がん保険は「絶対必須」ではなく、「がんになったときの家計インパクトをどこまで保険に任せたいか」で判断する商品です。貯蓄や他の保険で十分備えられている方に、過剰な上乗せは不要な場合もあります。
特約をたくさん付けるほど安心で良いがん保険になる
診断一時金・通院・先進医療などを重ねすぎると、使う場面が限られる保障に保険料を払い続けることもあります。「自分の働き方・家計に本当に必要な機能」に絞ることがポイントです。
がんに備えて検討したい
3つのポイント
がん保険は「どんな治療リスクを、どのくらい保険に任せるか」を整理して選ぶ商品です。ここでは、検討の軸となる3つのポイント(タイプ)をご紹介します。
がん診断一時金型
がんと診断された時点で、まとまった一時金が受け取れるタイプです。入院・通院・生活費の調整など、初期対応の自由度が高く、シンプルで使いやすい設計です。
「最低限ここだけはカバーしたい」という方は、診断一時金を中心に据えた設計がわかりやすくおすすめです。
通院・治療継続サポート型
抗がん剤治療や放射線治療など、長期にわたる外来治療をサポートするタイプです。働きながら治療するケースや、長期化リスクに備えたい方に向いています。
医療保険で入院はカバーできている場合、「通院・長期治療部分」を補う位置づけで検討すると重複が減ります。
先進医療・自由診療対応の保障
先進医療や一部の自由診療は、高額になる可能性があります。先進医療特約などで、その部分だけをピンポイントでカバーしておく方法も有効です。
フルカバーではなく、「万一、高額治療を選んだ場合に備える」程度のシンプルな特約にすると、保険料を抑えつつ安心感を持てます。
よくある質問を
ご紹介
Q. 医療保険に入っていれば、がん保険は不要ですか?
Q. がん家系なので手厚く入るべきですか?
Q. 一度がんになったら、その後のがん保険はどうなりますか?
Q. どのくらいの一時金を目安にすれば良いですか?
保険の選び方一覧